Tuesday, July 4, 2017

クレイジーピッグ流ヘビのファッション - shu

クレイジーピッグの盟友、shu 氏から寄稿いただきました!
今回は長年の名作であり人気作『スカル&スネークリング』を軸にクレイジーピッグと蛇のモチーフの関連について語ってくれました。

クレイジーピッグ流ヘビのファッション

クレイジーピッグのアイテムには動物をモチーフとしたものが多いが、その中でもヘビのアイテムは特筆すべきものがある。それらはどれも写実的なタッチで、毒々しくも美しく、見る者を魅了する。そこで今回はクレイジーピッグとヘビの関連について考えてみたい。

スカル&スネークリング
クレイジーピッグの中でも「スカル&スネークリング」は初期からのアイテムで、名作のひとつと言われている。このリングはデザイナーのアーマンド・セラ氏がキャリア初期の頃に描いたアートワークが基となっているという。スカルの脳天から突き出たヘビがとぐろを巻くという不吉なデザインで、ヘビの胴体は力強く、躍動感に溢れ、うねりが見事に表現されている。今にも動き出しそうなヘビのウロコは繊細に彫られていて、輝きを放つ。それはあたかも本物のヘビのウロコのように美しい。

ヘビは「再生」の象徴とされているので、死者(スカルには牙があるから人間ではない悪魔か何か)がヘビになって化けて出てきた場面のようにも見え、ストーリー性が感じられる。リングとしてのバランスもよく取れていて、クレイジーピッグらしさが詰め込まれた一品だ。

ヘビはヨーロッパの装飾や護符のリングとして古代から用いられてきたモチーフのひとつで、現代もヘビをモチーフにしたジュエリーがさまざまなブランドからリリースされているが、それらは紋章的なデザインであることが多い。他方、このリングは邪悪なヘビがうごめく瞬間を捉えた立体的なデザインで、他のジュエリーとは一線を画すると言えよう。すなわち、それがクレイジーピッグらしさである。そして、ファンにとって、この「他とは違う」という感覚が重要なのだろう。

この他にもクレイジーピッグにはヘビをモチーフにしたアイテムがいくつかあり、セラ氏は「ワイルドライフとあらゆる動物たちを愛しているんだ。それら(ヘビ、ドラゴン、オオカミなど)がロックミュージックとの結び付きが強いのは明らかで、悪魔的動物だから選んだわけではない」と説明する。ではロックミュージックにおけるヘビのイメージを簡単にみてみよう。

ロックファッションにおけるヘビのイメージ
ヘビには善と悪の両方のイメージがあるが、一般的にはグロテスクで気持ち悪く、嫌われる動物として知られている。そのせいか、ロックバンドのロゴやアートワークにはヘビがしばしば描かれる。とりわけ、ハードロックやメタルシーンではよく見られ、ホワイトスネイクをはじめ、スラッシュズ・スネイクピット、メタリカのブラックアルバム、パンテラの『鎌首』、ヴェノム(ヘビの毒はvenomと呼ばれる)、そしてアリス・クーパーのステージでは本物のヘビが登場する。また、ロックファッションにおいても、ヘビ皮が用いられたアイテムはたびたび見かけられ、タトゥーにおいてもヘビはポピュラーな絵柄のひとつだ。それらはヘビの邪悪さ、暴力性、毒、あるいは性的イメージがメタルの過激さと結び付いており、ヘビのアイテムを身に着けることで、そのパワーを得たような気分になる。ロックやメタルのファンは、ヘビのアイテムを用いて、強さや逸脱を演出し、そこに自分らしさを表現するのであろう。
それらと同様にスカルやヘビのジュエリーは「非日常的感覚」や「他者との違い」を強調し、さらに魔力の宿った護符としても用いられ、アイデンティティの証明や護符という役割を果たしているといえよう。

ヘビ皮のハットリボン
さて、クレイジーピッグのマスコットスカル「チーキーゴメス」が被っているシルクハットのリボンにはヘビ皮が用いられている。ヘビ皮はそのウロコが特徴で、冷たさやグロテスクさを強調し、着る人の個性を引き立てる。ハットのリボンの素材が絹やレース、あるいはヒョウ柄といったものではなく、ヘビ皮であることはブランドのスタンスを示しているように見える。つまり、流行やトレンドよりもロックテイストをアピールしているということだ。ヘビ皮のファッションアイテムが「他者との違い」を表現するように、クレイジーピッグのアイテムは、身に着ける人の個性を際立たせるのである。

このようにヘビというモチーフを見てみると、そこにはクレイジーピッグのブランドイメージとの結び付きがうかがえる。個性を追求するセンスの持ち主にとって、ヘビは性格の一部分を物語っていて、自己表現するためにうってつけのモチーフなのである。かわいい動物ではなく、忌み嫌われるヘビを選ぶにはそれなりの理由があるのだ。(shu)

※HR/HMにおけるヘビのイメージについては拙著e-book『ヘヴィメタルの悪魔的動物誌』(グループゼロ)を参照。

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