クレイジーピッグのアーマンド・セラは、多くの方が既にご存じのように、ロックスターになるべく故郷のフランスからロンドンに渡り、長く音楽活動を続けていました。
音楽で成功することこそ当時の彼の目標だったので、本当に全力で打ち込んでいたようです。彼のバンド「PANAMA」では英国の名門、マーキークラブでワンマン・ギグを行うほどだった、という事実からもアーマンドの本気度が伝わってきます。
そんなアーマンドは、驚くことに、英国におけるジャクソン(Jackson Guitars)の最初のエンドーサーでした。
今回は、現在もアーマンドが所有している一本を紹介します。
こちらはアーマンドの要望に合わせて製作されたソロイストで、ハワイアン柄のペイントが印象的です。
当時、メタルバンドのギタリスト達はギターにスカルやドラゴン、炎などをペイントしていたので、彼らとは全く違うテイストにしようと思っていたところ、「青地に白いパームツリー(ヤシの木)がプリントされたアロハシャツを着てプレイすると、いろいろと事がスムーズに進んだような気がした!」ので、ギターもこの柄にペイントしてもらったそうです。
また、ジャクソンの象徴的な三角形インレイが上下逆に配されています。アーマンドによると、「ヘッドの形状に合わせた」とのことです。
また、写真では分かりませんが、実用面でもカスタマイズが施されており、フロイトローズ部分には”ベア・クロー”型のザグリ、ネック側面にLEDのポジションマークも装備しています。ネックも彼の好みの太さと形状だそうです。
当時のアーマンドはテクニカルなギタープレイが好みだったようで、ジョー・サトリアーニなどを好んでいたようですが、まさにそのようなスペックのギターに仕上がっています。
ボディ裏にはアーマンド・セラ用に製作されたことを示すプレートが取り付けられています。希望の使用を伝えてから18ヵ月ほど待ったそうですが、期待通りの仕上がりだったようです。
このような、アーマンドの80年代のバンド活動やロンドン生活などは、彼の自伝『IN MY LIFE』に詳しく書かれているので、ご興味のある方は是非ご覧ください。すべて英語で書かれていますが、翻訳アプリなどで気楽に読めるかと思います。
ARMAND SERRA - IN MY LIFE
本当に興味深い内容で、私は何度も読み返しました。クレイジーピッグ・ファンの皆様には是非お読みいただきたい本です。