2011年7月21日木曜日

カーナビーストリートでの最初の仕事


カーナビーストリートの店について、多くの CRAZY PIG DESIGNS のファンからこれまでにも何度も質問されてきましたが、今回もFacebookで話題になっているようなで、こちらのブログに書くことにしました。
多くの人が訊いてくるその質問とは、私が働き始める前、そのカーナビーストリートの店はどのようなものを売っていたのか?です。



ギタープレイヤーだった頃、空き時間があったので、
週二日くらいのパートタイムの仕事を探しました。


カーナビーストリートへ行き、通りにある各店にパートタイムの仕事があるか訊いてまわりました。
そして、「G」で始まる名のある店で週二日の販売スタッフとしての仕事をみつけました。



まるでヘッドショップ(ヒッピーや麻薬吸引道具の類の店)のようで、ここでは長く働くことはないだろうな、というのが率直な印象でした。



私が自身のジュエリーをデザイン・制作する前にこの店で販売していたグッズはこちらの写真のようなものばかりです。



PEACE! MAN!





PEACE! MAN!

クリフ・バートン氏が愛用したプレイグ・スカルリング


どんなリングのデザインをする時でも、私には出発点としての基本的なアイディアが存在する傾向があるようです。
プレイグ・スカルリングの場合、パリのカタコンベを特集した TV 番組からそのアイディアは生まれました。
実際の頭蓋骨に出来る限り近いスカルリングをデザインしたいと思っていたのですが、その TV 番組で映し出された実物の頭蓋骨の殆どは数本の歯しか残っていませんでした。
それは頭蓋骨を非常に劇的でありながら薄気味悪いものに見せていたと感じました。
歯の無い頭蓋骨を「クールな」スカルリングに仕立てるのは簡単なことではありません。
私は本物の頭蓋骨を使って、その形状や歯の抜け落ちた歯槽骨(歯が収まる骨)の空洞や数本残った奥歯などの詳細に至るまでを再現しました。
以前にお話ししたように私が手掛けてきたすべての作品は、私自身が一つだけカーヴィングして製作したマスターから作られています。
つまり、すべての作品はそれぞれの一つだけ作られたマスターの型から作られているので、前述のような詳細部分が完璧に再現できるのです。(訳注: 型から作られたリングで再び型を取るようなことを繰り返した末に出来た、いわゆるコピー品では前述のような詳細な部分が失われたり、全体のデザインのバランスが変化してしまいます)

これまでにプレイグ・スカルリングのコピー品はいくつも作られてきたようです。(名前までコピーされたことも)
しかし、本物の持つ精緻な表現などすべて消え失せてしまっていて、もはや笑うしかありません!
コピー品は単なる「歯無しスカル」にしか見えないので、賢明なる皆様には簡単に判別できることでしょう。

THE PLAGUE SKULL RING ( Ref 88)

クリフよ永遠なれ…

CRAZY PIG DESIGNS TOKYO
東京都世田谷区北沢2-30-3
TEL: 03-6407-8158
OPEN: 11:30-19:30
https://crazypigdesigns.jp
info@crazypigdesigns.jp

2011年7月17日日曜日

CRAZY PIG DESIGNS の新作スカルリング2種



皆様、お待たせいたしました。

CRAZY PIG DESIGNS の新作スカルリング2種が7月14日より店頭に並びました。

オンラインストアにもすぐに追加予定です。

これらのスカルリングは小ぶりで、女性にも男性にもフィットすることでしょう。

CRAZY PIG DESIGNS の名作の一つである TUDOR TWO SKULL RING とマッチする、スカルが一つの TUDOR SKULL RING と3つのスカルの TUDOR THREE SKULL RING を新たに加わえる、というのが今回のアイディアでした。

お好きなようにこれらのスカルリングを組み合わせ、鈴なりのスカルを楽しんでみるのはいかがでしょうか。

ルビーやエメラルド、サファイア、ダイヤモンドをスカルの目にセットしたり、ブラックダイヤやホワイトダイヤモンドをスカル全体にパヴェにするようなカスタマイズは言葉もないくらいに素晴らしい作品になることでしょう。

カスタマイズのアイディアには限りはありませんね。

これらのリングはすでにウェディングリングとしてカスタマイズされました。

P.S.

写真をじっくりご覧いただくと、それぞれのスカルが異なる表情をしているのがお分かりになるかと思います。

スカルを一つ作って、それをコピーしてロウ付けしているのとは訳が違うのです。

(その方が制作はかなり楽だとは思いますが…)

2011年7月10日日曜日

ハリー・ポッターのベラトリクス・スカルリングのストーリー



ある日の午後、 CRAZY PIG DESIGNS の電話が鳴り、"「マリー・ポッター」が何々…”と話していました。(少なくとも私にはそう聞こえました)

彼女は、映画で使用する特注のリングを探していると話し始めました。

しかし、彼女はまさに映画のセットの中にいたようで、急に呼び出されたか何かで電話を一旦切らなくてはなりませんでした。

一時間後、マリー・ポッターさんからまた電話がありました。

すると、彼女は"マリー・ポッター"ではなく、"ハリー・ポッター"だというではありませんか!!!



彼女は実際に私に会って、この映画のための非常に重要なアイテムの制作について打ち合わせをしたいと言いました。



後日、私たちはコヴェントガーデンのお店で会い、プロデューサーからのリクエストに関する詳細を受け取りました。



彼は盾形の紋章を刻んだ黒い石を CRAZY PIG DESIGNS の4クロウズ・セッティングリングにセットすることを望んでいました。

私は、そのようなリングを作るのはさほど難しくはないが、あまり良いアイディアではない思うと、率直な自分の意見を伝えてみました。




まず、リングというものは、とても小さなアイテムです。

女性(ベラトリクス - ヘレナ・ボナム・カーター女史)用となればなおのことです。

加えて、黒い石に彫り込まれた盾形の紋章はもっと小さく、劇中では相当にクローズアップされてもそのディティールは何も分からないと思ったのです。


プロデューサーから6週間の制作期間を与えられた私は、ことある毎に衣装担当者と話をし、要求通りのリングは作成しているが、前に述べたように、このリングはあまり良いアイディアではないことに少々不満があると伝えました。

期限の2週間前、ハリー・ポッターの衣装担当者から連絡があり、こんなことを言うではありませんか!

「どうやら、あなたの意見は正しい!」「当初の案では我々の望むようなインパクトはなく、これは良いアイディアではなかった。」「この紋章のディティールをアレンジして新しくデザインを起こして欲しい」「我々はあなたの判断を全面的に信用しますが、期限は当初と同じで、あと2週間なのでよろしく!」

もちろん私はすぐさま仕事に取りかかり、さっとデザインをスケッチするとベラトリクスのリングの制作を開始しました。

2週間後、リングは無事に納められ、ハリー・ポッター制作チームは新しいデザインとその出来栄えに大喜びしてくれ、映画のポスターにもフィーチャーされることとなりました。

残念ながら、現時点ではベラトリクス・スカルリングの販売予定はありません。

2011年7月6日水曜日

CRAZY PIG DESIGNS の新作スカルリング



CRAZY PIG DESIGNS
のリミテッドエディションリング2種がオークションに出品される、ロイヤル・アルバート・ホールにて開催される「SUNFLOWER
JAM」まであと数日となりました。

もちろん、その間も CRAZY PIG DESIGNS ではいくつかの新作を制作中です。
4つの新作リングの内3つはスカルリングです。(驚くようなことではありませんね!)
そしてもう一つはユーモアのセンスあふれる、少しばかりクレイジーなアイディアのリングです。
また、レザーウォレットも革、パターン、色、大きさなどの選択肢を新たに拡張しています。
これらはこの数週間のうちには入荷予定です。
まだ写真は準備していませんが、新作スカルリングのうち2種は今週の土曜日に店舗にお目見えの予定です。
最初の2つは、あるお客様のウェディングリングとしてすでにオーダーを受けています。
BUSY! BUSY! BUSY! (大忙しです!)

こちらは、ある日本の友人からの写真です。
何年も前に、私が彼の為に制作したブレスレットです。
古い作品ですが、今見ても素晴らしい