Crazy Pig Designs Japan: 熟練職人の技 - 石付きリングのサイズ調整

2021年7月19日月曜日

今回はロンドン本店の地下工房より興味深い写真が届きましたので、石付きリングのサイズ調整について紹介します。

リングのサイズ調整は一部の例外を除き、指輪の一部を切断して余分を削除してサイズを小さくしたり、地金を追加してサイズを大きくします。切断した部分はロウ付け(地金を接合する溶接のような作業)してリングを真円に戻し、きれいに仕上げ直します。

早速、その工程を見てみましょう。

ロウ付けの作業は地金が赤くなるまで熱するため、地金の温度は数百度に達します。この熱でリングに取り付けられた石が割れたり変色するなどの問題が発生するため、作業前に石を外します。この例では石はベゼル(ふくりん)と呼ばれる、リングと一体化した枠で抑えているので、べセルを切り落とします。

ベゼルを切り落とした状態です。これで石を取り外ることができます。

薄く延ばした銀の板を石の形に合わせて楕円形状にします。これが新たなベゼルとなります。ベゼルを適当に作ると石が入らなかったり、反対にゆるんだりといった石留めの問題や石が歪んで見えるなどの外観上の問題に大きく影響するので、丁寧に慎重に行います。

リング本体にベゼルをロウ付けします。この時もベゼルの位置決めは慎重に行います。

ベゼルをロウ付けしたら、ベゼルをセットする石に最適な高さに調整します。この後はリングをいぶして再度研磨、そしてベゼルを伏せ石を固定して作業完了です。

石は接着剤で留められているとお思いのお客様もいらっしゃいますが、クレイジーピッグではこのような職人技で石を固定しています。(この他にもツメで抑えるなどデザインに合わせた方法を採用しています)

普段ご覧になる機会のない作業で、なかなか興味深い写真だったのではないでしょうか。また面白そうな写真が届いたら紹介したいと思いますのでお楽しみに！

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