2019年1月12日土曜日

クレイジーピッグの進化する死神リング




昨年末に死神をモチーフにした新作「デスディーラーグリムリーパーリング」が発表されたが、アーマンド・セラはこれまでにも「死神」をモチーフとしたジュエリーをたびたび発表してきた。

80年代、彼がジュエリーデザイナーとして活動を始めたばかりの頃から、すでに死神がモチーフに選ばれている。そのリングは大鎌と死神を組み合わせた荒々しいものだったが、その後デザイナーとしての経験を積み、細かい部分まで表現することができるようになると、大鎌の柄の部分に(死神の)手が付け加えられた。彼はアイテムをグレードアップさせることを欠かさなかった。また、スモールサイズの死神リングやペンダントトップも作り、バリエーションを増やした。この頃、死神をモチーフにしたシルバージュエリーはまだ珍しく、彼は他のジュエリーデザイナーとは違う、自分だけの道を歩み始める。

90年代に入ると、新たな死神リングがデザインされた。クレイジーピッグ創業時に発表した「ラージグリムリーパーリング」だ。これは死神の上半身をリングにアレンジしたもので、大鎌、スカル、ローブが立体的に表現された。初期のものと比べると、そのデザインは大きく進化を遂げた。自身のブランドを立ち上げ、死神リングもグレードアップさせたのだろう。

その後、しばらく死神をモチーフとしたアイテムはリリースされなかったが、2018年末に再び死神が取り上げられた。それが「デスディーラーグリムリーパーリング」だ。これは絵画作品のような作風となっており、シルバーに絵を描いたかのような仕上がり。それまでは鎌を持った死神がモチーフだったが、今作では「馬に乗った死神が大鎌を振りかざす場面」が描かれた。新たなやり方で新たな死神を描き出している。

こうして死神リングを追って見ていくとその変化が見えてくるが、それはアーマンド・セラの進化でもある。彼が最初に死神リングを作ってから約30年。おそらく、ここまで死神を追いかけているジュエリーデザイナーは他にいないだろう。かつて彼は自らを「スカルリングデザイナー」と称したことがあったが、「死神リングデザイナー」とも呼べるだろう。きっと今後もアーマンド・セラは死神を描き続けるに違いない。なぜなら、彼はシルバーの死神に取り憑かれているからだ。(shuhei hasegawa)

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