2020年4月13日月曜日

ハリー・ポッター、ベラトリックスのリング作成のストーリー

ご自宅で過ごす時間が長いであろう皆様に、少しでも楽しい話題を提供したいとのアーマンド・セラの意向により、クレイジーピッグが映画『ハリー・ポッター』シリーズのためにスカルリングを製作することになったストーリーを紹介します。


それは2006年7月上旬、コヴェント・ガーデンの店の電話が鳴ったことから始まりました。
その時、ちょうど私は店にいたので電話に出ると、電話口の女性は"マリー・ポッター"と名乗りました。(少なくとも、その時私はそう思いました…)
彼女は詳細までは話さなかったものの、特注製作は可能か尋ねたので、クレイジーピッグでは特注製作も可能である旨を伝えました。そして納期や価格の話をする前に、どのようなジュエリーを作るのかできるだけ詳細な情報が必要であると加えました。
すると彼女は今まさに”撮影中”であると言い、後程また電話してくることになりました。

暫くするとまた電話が鳴りました。先ほどと同じ”マリー・ポッター”さんでした。彼女があらためて名乗ると、彼女は”マリー・ポッター”さんではなく、映画『ハリー・ポッター』シリーズの関係者とのことでした。そんなやり取りの後、彼女が来店して私と打合せすることになりました。

その打ち合わせで映画のディレクターがヘレナ・ボナム・カーター氏演じるベラトリックス・レストレンジが着用する指輪の製作、そのリングには紋章が彫り込まれた黒い石(オニキス)を嵌め込むことを望んでいることを聞かされました。



そのオニキスに彫り込むデザインの資料を見たのですが、カーター氏は小柄な女性で指も非常に細いのでリングも必然的に小さくなると思いました。
同時に、先方が望む紋章はそのリングにセットするオニキスには複雑すぎると思いました。彫って彫れないことはないでしょうが、着用している人物が動き回る映画では小さな黒い石に紋章を彫刻しても、目視は不可能だったでしょう。それは良いアイディアとは言えなかったので、私はその旨を映画の衣装係に伝えましたが、これはディレクターの意向とのことで、このまま製作することになり、4週間の製作期間が与えられました。

私は非常に不本意ながら指定されたデザインでのリング製作を開始しました。2週間ほどでかなりの進捗がありましたが、やはり気になる点があったのでそれを映画の製作チームに伝えました。この時、ようやく彼らは私が指摘した問題点を認識しました。

彼らはどうすればよいか、私に意見を求めたので、私は紋章の中で最も重要なデザインにフォーカスすることを提案しました。そのデザインとは植物の葉の冠をかぶったスカルと"TOUJOURS PUR"の文字を配したリボンでした。

彼らはデザインに関して私にすべてを任せることに同意しました。しかし私にはもう一つ重要な問いがありました…それは納期です。彼らは既に2週間たっているのであと2週間と答えました。つまり、私は4週間の製作期間は残されていなかったのです。

私はデザイン、マスターの製作、複製のための型の製作、6つのリングの鋳造、仕上げを約束通り2週間で完了し、映画の衣装チームへの引き渡しに備えました。
(訳者注: 要求の高い映画会社からの注文をデザインから実物の完成までを2週間、しかもご覧の通りのクオリティで仕上げるのは至難の業だったと思います)

ロンドンのワーナー・ブラザーズ・スタジオに行くと、ベラトリックスが私が製作したスカルリングを着用している姿の巨大なポスターが貼られています。

*残念ながらこのリングは非売品ですが、クレイジーピッグ東京店には、映画で使用したリングの元となった型から製作した予備のリングをご覧いただけます。コロナ禍が収束し、自由に外出できるようになりましたら、是非ご覧になりにお越しください。

また、クレイジーピッグではこの映画シリーズに下記のようなジュエリーも作成しました。その他にもバードスカルペンダント、バードクロウリング、アイリングなどレギュラー商品も劇中に登場します。


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