2018年12月8日土曜日

Two Headsシリーズ:クレイジーピッグ流双獣文

 クレイジーピッグのアイテムには動物をモチーフとしたものが多い。とりわけ、ロックミュージックと関連するものが目立ち、ドラゴン、ヘビ、オオカミ、悪魔的なヤギ、タランチュラ、鳥の頭蓋骨をモチーフにしたバードスカルなどがあり、いずれもダークさを感じさせるデザインが印象的だ。他にもトラ、ライオン、サイ、ゴリラ、ゾウ、クマというような力強い動物が多く、海の生物であるイルカやサメの姿もある。
 近年ではコウモリ、ツバメ、フクロウ、タコ、カラス、カエルも仲間入りし、またヴィジュアル・アーティストのデイヴ・ホワイトとのコラボ作品でキツネ、サメ、ワシが限定制作されるなど、世界観を広げている。

 いずれも他のブランドにはないようなデザインで、強烈なインパクトを放ち、なおかつ、動物のウロコ、羽、毛並み、シワといった毛彫りは繊細に表現されている。力強さと繊細さを併せ持ったデザインはクレイジーピッグならではの特徴だ。
日本では馴染みの薄い動物もいるかもしれないが、それらはヨーロッパの装飾や文様において、古くから用いられてきたモチーフである。ちなみに動物モチーフのアイテムを選ぶ際、自分の星座や干支で決めるのもいいだろう。そのような護符的意味は装身具の本来の役割である。




さて、動物をモチーフにしたアイテムの中でも注目したいのが、「Two Heads」シリーズと呼ばれる、同じ動物が向き合いに配置された左右シンメトリーのリングだ。同デザインのバングルもある。このようなデザインは「双獣文」と呼ばれ、古くからヨーロッパで用いられてきた基本的な文様構成法のひとつ。同じものが2つ配置されることで、神秘的な世界の原理、二極性や二元性を意味するという。
 この「Two Heads」シリーズはシンプルなデザインゆえ、スタイルを問わず使いやすい。それでいて、動物の野性味が感じられ、小さいながらも自分らしさを表現できる。

トラをモチーフにした「Two Tiger Heads ring」はサイドにユリを配し、上品さとワイルドさが共存する逸品。ヘビが向き合った「Two Headed Snake ring」はリングのバンド部分にウロコ模様が施されており、独特の輝きを放つ。ワシがモチーフの「Twin Eagles ring」はシンボライズされたデザインで、ネイティブアメリカンのヴァイブが感じられる。いずれもシンプルでありながら、アーマンド・セラのデザインセンスが注ぎ込まれている。
普通のリングではつまらない、でも巨大なリングはちょっと…という方にぴったりのアイテムと言えるだろう。また、落ち着いた雰囲気があるので、年齢や性別を気にすることなく、長く使うことができそうだ。

来年2019年の干支はイノシシ。英語でイノシシはboarだが、これは去勢されていない雄豚のことでもあり、もともとは同じに見られていたという。また、キリスト教におけるシンボルとしてはイノシシとブタ(pig)を区別しない。つまり、来年は豚年とも解釈することができ、クレイジーピッグにとって特別な年となりそうだ。(Shuhei Hasegawa

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ヘビのモチーフについて書いた「クレイジーピッグ流ヘビのファッション」はこちら。

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